金魚を飼う

鱗が逆立つ病気「松かさ病」|揃えておくべき薬とその治療法

金魚の病気のために揃えておきたい薬

鱗が逆立ってまるで松ぼっくりのようになってしまう病気「松かさ病」。よく聞く病気ながらその治療はかなり大変で、長期化することも珍しくありません。

実は今回、飼育していた金魚をこの「松かさ病」で亡くしてしまいましたが、もう少し早いタイミングでの治療と的確な薬を使っていたら、また違った結果だったのでは、と思い忘備録もかねて記事にしておくことにしました。

「松かさ病」は初心者にはとても治療が難しい病気です。ひとつの例として参考にしていただければと思います。

松かさ病で水泡眼がお亡くなりに…

くの字になってしまった水泡眼

今回水泡眼をこの松かさ病からの次の日には体がくの字になってしまい、衰弱して亡くなってしまいました。

松かさ病に必要な薬が手元になかったため、薬を取り寄せに時間がかかり治療を開始するのが遅くなった結果、体内の内臓疾患が進み体がくの字になってしまったと思われます。

金魚を毎日観察して元気がなかったり変化がある場合は早めの塩浴です。そして松かさ病に限らず言えることですが、病気に対する治療は即座に始めるのが完治させるための近道です。

そのため病気用の薬については基本的なものをしっかり揃えていたほう良いと言えるでしょう。

松かさ病とは

松かさ病の水泡眼

松かさ病とは、鱗が逆立ち上からみた様子がまるで松ぼっくりのような見た目から「松かさ病」と呼ばれています。また「立鱗病(りつりんびょう)」とも言います。

松かさ病の症状

初期の状態ではとくに問題がないように見えますが、病気が進行すると水槽の底で動かない時間が長くなり、その後鱗が徐々に逆立ってきます。これに加えて体が異様に膨れてくる症状や眼球が飛び出してくることもあります。

エロモナス菌の影響からきたものだと、同時に尾ぐされの症状が出たり赤斑病の症状が出たりすることもあります。

末期の状態になると完全に鱗が開いてしまい、ほとんど動かず餌も食べずに腹水がたまり体がさらに膨れたり、内臓系の崩壊が進み亡くなってしまいます。

松かさ病になる原因と予防

肝機能の機能不全消化器機能の低下により松かさ病を発症すると言われています。それはエロモナス菌の感染が原因だったり、または消化不良による内臓疾患が原因と言われています。

多いケースで言うとエロモナス菌の感染ですが、エロモナス菌は淡水の中には常時いる菌です。金魚が健康で免疫力がしっかりとあるなら、まずエロモナス菌に感染することはありません。

ただ、餌のやりすぎによる「消化不良」「水質悪化」などで金魚を弱らせてしまうとエロモナス菌に感染しやすくなったり、内臓系の病気にかかってしまうことがあります。

これを防ぐためにも水質を安定させること、また餌はやりすぎないことが松かさ病の予防につながります。

松かさ病用に揃えておきたい薬

金魚の病気のために揃えておきたい薬

とにかく「これは松かさ病だ!」と気づいたその時から治療を開始するのが松かさ病を治すための近道です。そのくらい厄介で根気よく治していかなくてはいけない病気です。

すぐに治療が開始できるように、松かさ病の薬を手元に揃えておくのが重要です。パッと揃えられない(届くのに時間がかかる)薬が多いので、事前に用意しておきましょう。

観パラD

オキソリン酸系の薬です。定番中の定番な薬なのでアクアショップなどにも高い確率で置いてあります。少々値段が高いです。

観パラD 30mL 300L水槽用
観パラD

グリーンFゴールド顆粒

グリーンFゴールドにはリキッド顆粒とがあります。名前は一緒ですがグリーンFゴールドリキッドはオキソリン酸系、グリーンFゴールド顆粒はニトロフラン系と配合されている成分が違うので注意が必要です。

観パラDを用意している場合はニトロフラン系であるグリーンFゴールド「顆粒」の方を用意しておきましょう。

ニチドウ グリーンFゴールド 2g×2包
ニチドウ

パラキソリン(経口薬)

オキソリン酸系の食べさせることができる薬、薬餌です。松かさ病は体内の病気のため、薬餌は効果が出やすいと言われています。

ただし珍しい薬でアクアショップには置いてないことが多く、金魚屋もしくはネットでしか購入できないので注意が必要です。そして値段が高いです。

松かさ病の治療方法

松かさ病と判断できないごくごく初期段階

明らかに松かさ病とわかるまでは薬浴せずに、塩浴で対応しましょう。軽い病気なら塩浴のみで治ってしまう場合もあります。(その場合は松かさ病ではなかったかもしれませんが…)

その場合は水量に対して0.5%の塩を入れて塩浴させます。その時に水温も少し高め(25℃〜30℃)に設定してあげるといいでしょう。

松かさ病初期〜中期

その中でもごく初期なら、観パラD+塩浴で様子をみます。その時25℃〜30℃に水温を上げてあげると効果的です。

明らかに松かさ病で、鱗も開き気味の症状が中期と判断した場合は、観パラDより強い薬であるグリーンFゴールド顆粒+塩浴+(餌を食べるようなら)パラキソリンで様子を見ます。同じく水温は上げておくほうが良いと思います。

観パラDとパラキソリンを併用するのは避けた方が良いとの情報がありました。同じオキソリン酸系の薬のため強く効果が出てしまい金魚を弱らせてしまう可能性があるのだそうです。
パラキソリンの薬餌を使いたい場合はニトロフラン系のグリーンFゴールド顆粒を使うようにしましょう。

松かさ病末期

完全に鱗が開いてしまった状態ですと薬でも完治させることが難しく、プロの方でも治すことが難しいのだそうです。

このように末期の状態にしないためにも、なんとか症状が初期や中期の時点で迅速に、また根気強く治療してあげたいものです。

また日頃からしっかりと金魚を観察すること、そして水質が悪化しないように餌をひかえたり、水質が安定するようにしっかりとケアしていく必要があります。

なんにしても、まずは金魚の免疫を低下させないことが大事だということです。

以上、こりのろっさ(@rossa1523 )でした。